Interview
インタビュー
入社のきっかけを教えてください。
前職は生活家電の訪問販売をしていました。その会社は、一部上場企業のグループ会社だったので、安定を感じて入社しましたが、取り扱う商品が時代にそぐわない部分が多いのではないかと思うところもあり、お客様のニーズとのギャップを常に感じていました。セールスとして会社からは数字を求められる一方で、本当にお客様が必要とされているのか、数字のことばかり意識して自分本位になってしまっているのではないか、という申し訳無さや罪悪感といった苦悩が大きくなっていきました。もっとお客様が必要とされているものを販売したいという思いから転職を考えるようになり、様々な業種を調べる中で、一番最初に気になったのが東洋精器工業でした。車に関する機械であればニーズが高いと感じたことに加え、もともと機械を触ることが好きだったので、セールスでありながらメンテナンスに携わることができるというのも興味を引かれるポイントでした。ただ、車が好きというわけではなく、タイヤメーカー様も1社しか知らないほど知識もなかったので、面接でも「車の知識は必要ないですか?」と質問したことを今でも覚えています。面接してくださったのは当時の札幌営業所の所長で、とても人当たりが良い方だったので、そういう社風なのかなと安心することができました。
入社して今までどのようなキャリアを積まれましたか。
入社当初は札幌営業所へ配属され、面接を担当してくださった所長が直属の上司となったので、とても働きやすかったです。最初は、主にメンテナンスを中心に任せていただき、先輩に同行する中でセールスのスキルを徐々に学んでいくように言われました。ルートセールスのため飛び込み営業もなく、お客様とも長期的な関係を築くという面で、前職とはまったく違うなという印象でした。その一方で、長い歴史で先輩方が築かれたお客様との関係性を壊してしまう可能性もあるというプレッシャーも同時に実感しました。
札幌営業所で3ヶ月ほど指導していただいた後、名古屋営業所へ転勤となりました。名古屋営業所では、所長が受注されたものの納品やメンテナンスに伺い、お客様との関係性を維持する役割を任されていました。そのため、自分から売り込んでいく気持ちや、商品を買っていただきたいという意識はまだ低かったように思います。本来であれば、営業として採用されたからには売上の意識を持たなくてはいけないのですが、当時は自分の好きな機械いじりでお客様のお役に立つことができるということに十分やりがいを感じていました。
名古屋で約2年経験を積んだ頃、本社へ転勤となりました。今考えると、私が一人前のセールスエンジニアに成長するためには自分から売り込んでいく力もつけていったほうがよいと判断され、転勤になったのだと思います。配属先や役職は、本部が社員一人一人の特性をよく理解し、キャリアアップを考えた上で判断されているように感じます。実際に私自身、仕事への向き合い方も変わり、お客様に商品を買っていただくということへの捉え方も変化しました。私たちが取り扱っている商品は、メンテナンスが必要不可欠なものなので、お客様との関係性も長期的になります。その分、商品力はもちろんですが、人間性が必ず見られます。その上でお客様から「あなたから買うよ」と言っていただけるとやはり嬉しいです。お客様との関係性を築くことができた時の喜びは今もずっと変わっていません。
広島営業所の所長になって3年半が経ちますが、実は所長になりたいと思ったことはありませんでした。それまで所員の立場から所長の姿を見てきて、やはりお客様にとっても営業所の顔となる存在ですし、部下の行い含めてすべての責任をとるのが所長というイメージだったので、所長という役職の責任の重さは感じ取っていました。なので、辞令を出された時は心から喜ぶことはできず、プレッシャーのほうが大きかったです。私が着任した時は、お客様先への訪問頻度に問題があり、歴史があって認知度も高い会社であるはずなのに、門前払いされてしまうことも多かったです。過去にお取引があったにも関わらず、その後訪問が途絶えてしまっているという地域もありました。「売ったきりで全然来てくれない」「買わなきゃよかった」という声を耳にするのは一番つらく、お客様にそのような思いは絶対させたくないと思っていたので、まずはお取引があったお客様と再度関係性を築くことからコツコツ始めました。東洋精器工業の一番の強みは、セールスとアフターフォローを同じ者が担当するということだと思っているので、所員には商品を売ったきりにしないという意識づけを徹底しています。今は少しずつ改革しているところなので、今の自分に点数をつけるのであれば、目標を10とするとようやく3まで来たところです。まだ種をまいた段階なので、収穫するところまで自分で手掛けたいです。
指導する立場として大切にされていることを教えてください。
部下には自分で考えて行動してもらうよう促しています。やはり自分自身での気づきからやらなければならないと思わないと身につかないので、極力口では言わず、自分が実践している姿を見せてわかってもらうようにしています。時には、部下に対してこれは言ったほうがいいのではないかと思いつつ、言ってしまうと本人を否定しているように受け取られてしまうのではないかと、指導方法に悩むこともありますが、そのような時にはすぐ本部へ相談するようにしています。入社当初から重役の方とも直接コミュニケーションをとらせていただけるようなフランクな雰囲気をつくってくださっていますし、相談すると迅速に対応してくださるので、とても心強いです。
目標を教えてください。
やる気がない時代があったり、会社に迷惑をかけてしまったりしたこともありましたが、それでも会社は受け止めてくれ、自分でやる気を出すまで自分の居場所をつくり、待っていてくれました。そんな懐の深い会社に恩返ししなくてはいけないという気持ちも強いので、東洋精器工業が100周年を迎える頃には、会社役員として会社を支えていくというのが私の目指す姿です。